篠原ともえ:デザイナーとして新たな挑戦

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篠原ともえは2020年に夫の池澤樹氏と共にクリエイティブスタジオ「STUDEO」を設立し、デザイナーとして国際的な広告賞を受賞。現在はデザインや音楽活動で活躍中です。1995年に歌手デビューし、1990年代の「シノラー」ブームを巻き起こしました。2025.3.18(金)22:30 眠れぬ夜はAIさんと総集編

2019年:デザインへの再挑戦

篠原ともえは、40歳を迎えた2019年に大きな決断をしました。
これまでの芸能活動を一時休止し、母校である文化学園大学に再び通い、デザインを本格的に学び直すことを決意しました。
この期間は「修行の時間」として、自身のスキルをブラッシュアップすることに集中しました。
SNSからも一旦離れ、服飾技術やパターン制作などを学び直し、ポートフォリオを作成してプロの意見を取り入れるなど、徹底した準備を行いました。

篠原はこの挑戦について、「ゴールが見えないまま仕事を休むのは不安だったが、10代から30代まで全力で頑張ってきた自分へのご褒美のように感じた」と語っています。
この期間に蓄積した経験と知識が、後のキャリアチェンジにつながる重要な土台となりました。

また、この年には「SHIKAKU」展を開催し、余り布を出さない衣装作品を中心とした新しい試みを披露しました。
この展覧会は、彼女が新たなステージへ向かう第一歩となり、多くの支持と励ましの声が寄せられました。

2020年:STUDEO設立

2020年4月1日、篠原ともえは夫である池澤樹氏と共同でクリエイティブスタジオ「STUDEO」を設立しました。このスタジオでは、デザインやアートディレクションを中心に活動し、新しい価値観やアイデアを社会に提供することを目指しました。

設立後すぐに篠原は、星野リゾート「OMO7大阪」のホテルユニフォームデザイン・製作監修を担当しました。
これが彼女にとって初めてのホテルユニフォームデザインであり、大きな話題となりました。また、このプロジェクトでは「おしゃれで動きやすい」という実用性とデザイン性を両立させることに成功し、高い評価を得ました。

2021年:国際的な評価の獲得

2021年、STUDEOは日本タンナーズ協会とのコラボレーションで革のアクセサリー「LEATHER-MADE JEWELRY」を制作しました。
このプロジェクトは当初、篠原が工場を巡りインフルエンサーとしてコメントを届けるPR活動から始まりました。
しかし、夫の池澤樹氏の提案により、単なるPRにとどまらず、革アクセサリーのデザインを手掛けることになりました。

完成した作品のPRのためのグラフィック撮影は池澤氏主導でチームを組み、作品制作から発信まで一貫して行いました。
さらに池澤氏の提案でニューヨークADC賞にエントリーし、メリット賞を受賞しました。

この成功は、篠原が単独で作品を制作していた時代から、チームでの制作プロセスへと移行した結果でもあります。
篠原は「ひとりで作品をつくっていた時に感じていた不安やコンプレックスがなくなりました」と語っており、この経験が彼女のデザイナーとしての自信につながったことがうかがえます1

2022年:さらなる国際的評価

2022年、STUDEOは再び日本タンナーズ協会とコラボレーションし、鹿革のきもの「THE LEATHER SCRAP KIMONO」を制作しました。
この作品もニューヨークADC賞を受賞し、2年連続での快挙となりました。

この成功は、篠原と職人さんとの間に築かれた絆によって生み出された作品のプロセスを、グラフィックなどのビジュアルで可視化し、効果的に伝えることができた結果だと考えられます。

篠原は「人の心を動かすことができたという手応えを感じた」と述べており、デザインだけでなく、その発信方法についても学びを得たことがわかります。

また、この年には星野リゾートのホテルブランド「OMO7大阪」のユニフォームデザインも手掛けています。

このプロジェクトでは、広告制作のプロセスを取り入れ、コンセプトの決定からアイデア出し、プレゼンテーションまでをチームで行いました。

2023年以降:新たな挑戦

2023年以降の活動については、提供された情報からは詳細を確認できません。
しかし、2021年から2022年にかけての成功と経験が、篠原の活動の幅をさらに広げ、音楽活動の再開やLEXUSとの協業プロジェクトなど、新たな挑戦につながっていったと推測されます。

STUDEOの活動を通じて、篠原は広告的思考とアートの融合、チームでの制作プロセス、効果的な発信方法など、多くのスキルと経験を積み重ねてきました。
これらの経験が、2023年以降の多岐にわたる活動の基盤となっていると考えられます。

2024年:社会貢献活動とデザイン分野での活躍

2024年10月、篠原ともえはJohnson & Johnson主催の「第19回 ハートアートプロジェクト2024」のスペシャルサポーターを務めました。
このプロジェクトは、統合失調症をはじめとする精神疾患を抱える方々のアート作品を通じて、こころの健康を支援する取り組みです。

篠原は本プロジェクトについて、「アートは私たちのこころを豊かにし、大きな喜びを与えてくれます。アート作品を創ることも見ることも大好きなので、どんな作品と巡り合えるか楽しみです」とコメントしています。
彼女の参加により、プロジェクトの認知度向上や、精神疾患に対する社会の理解促進に貢献しました。

また、この年には林業と工芸をつなげ、環境保護を呼びかけるバッグのプロジェクトも手がけています。「CLEAN HIKES, GREEN PEAKS MT. TAKAO」と名付けられたこのバッグは、高尾山の間伐材を使用して作られ、登山者のゴミ持ち帰りを促進する目的で制作されました。
このプロジェクトは後に国際的な評価を受けることになります。

2025年:国際的評価と伝統文化とのコラボレーション

2025年、篠原の活動はさらに多岐にわたり、国際的な評価も高まっています。

まず、2024年に手がけた「CLEAN HIKES, GREEN PEAKS MT. TAKAO」バッグプロジェクトが、第103回ニューヨークADC賞のPromotional Apparel部門でMeritを受賞しました。
このプロジェクトは、環境保護と地域の伝統工芸を結びつけた取り組みとして高く評価されました。

2月21日には、「正倉院 THE SHOW -感じる。いま、ここにある奇跡-」のコラボレーションアーティストとして参加することが発表されました。
この展示では、正倉院の宝物からインスピレーションを受けた新作の制作に取り組んでいます。
篠原は「宝物とファッションとのコラボレーションに挑戦します。
手仕事を通じて、アートピースのようなものを制作すべく、チームで取り組んでいます」と意気込みを語っています。

この展示は、6月14日から8月24日まで大阪歴史博物館で、9月20日から11月9日まで東京の上野の森美術館で開催される予定です。

篠原は、これらの活動を通じて、デザインを社会貢献や文化継承に結びつける新たな可能性を示しています。
彼女の活動は、単なるファッションデザインの枠を超え、環境問題や精神保健、伝統文化の継承など、幅広い社会的課題に取り組む方向へと発展しています。

池澤樹の実績

池澤樹氏は、日本の著名なアートディレクター、クリエイティブディレクター、グラフィックデザイナー、アーティストとして幅広く活躍しています。主な実績は以下の通りです:

  • 受賞歴

    • カンヌ国際広告祭 金賞

    • One Show 金賞

    • ADFEST グランプリ

    • SPIKES ASIA 金賞

    • ニューヨークADC賞 銀賞

    • 東京ADC賞(2年連続受賞)

    • JAGDA新人賞

    • 朝日広告賞

    • 毎日広告デザイン賞

    • 日本パッケージデザイン大賞 銀賞

    • ベストデビュタント賞

  • 主な作品

    • サントリー「烏龍茶」「黒烏龍茶」「白州」「六 ROKU」「伊右衛門プラス」

    • トヨタ「TOYOTA 86」「G’s」「GR」「GR COROLLA」「GR86 THE FR」

      • ロッテ「SWEETS DAYS 乳酸菌ショコラ」

      • クラシエ「ナイーブ」「muo」「creer」

      • Google「Google Play Music」の空間展示

      • 東急電鉄キャラクター「のるるん」

      • 東急バスキャラクター「ノッテちゃん」

  • その他の活動

    • 2018年にニューヨークで初の個展「BEYOND THE CRAFT」を開催

    • 武蔵野美術大学特別講師、宣伝会議アートディレクター養成講座講師を務める

    • 東京アートディレクターズクラブ会員、日本グラフィックデザイナー協会会員

    • 2020年4月にクリエイティブスタジオSTUDEOを設立し、代表取締役に就任

池澤樹氏は、広告業界での経験を活かしつつ、STUDEOを通じて篠原ともえさんと共に革新的なプロジェクトを展開しています。
彼らの夫婦コラボレーションは、デザイン業界に新たなインスピレーションを提供し続けています

1990年代

篠原の昔を知らない人も多くいるので最後に書いておきます。

篠原ともえは1995年に歌手としてデビューし、石野卓球プロデュースによるシングル「チャイム」で注目を集めました。
1996年にはフジテレビの『LOVE LOVE あいしてる』にレギュラー出演し、数々のバラエティ番組で人気を博しました。
彼女のスタイリングは「シノラーファッション」として一世を風靡し、デザイナーとしての才能も認められました。

2000年代

2000年には、在学中の大学でファッションショー「しのコレ〜21世紀に作る21歳の篠原ともえがデザインする21体の服〜」を開催しました。
同年10月には、ミュージカル『天使からの招待状』で初舞台を踏み、作詞・作曲・衣装デザインを手掛けました。
2001年には文化女子大学短期大学部を卒業し、以降は舞台やミュージカルでの活動を続けました。

2010年代

2010年にはデビュー15周年記念ライブ「ULTRA RELAX DAY 2010」を開催し、東京都青ヶ島で無料ライブも行いました。
2011年にはニューヨークでライブに出演し、2012年には完全プロデュースアルバムをリリースしました。
同年からはエフエム東京で『東京まちかど天文台』のメインパーソナリティーを務めました。

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